相場師朗の株塾で人生が変わった相本です。

最初に申し上げておきますと
今回の内容は、かなりハイレベルな事例の検証です。

何についての話かというと
うねり取りの中でも
特に、横バイ局面の対応例を取り上げます。

初心者のうちは、横バイ局面では
株価が短い期間で、細かい動きをするので
売買を見送りたいところです。

上昇局面か下降局面がハッキリとわかる時に
売り買いを入れる。
あなたが自信を持って玉を入れられる部分だけ入る。

あなたが初心者の間は、このやり方でいいです。

しかし、

あなたが中級者、更にその上の上級者を目指すのであれば
横バイ局面の対応は出来ないといけません。

なぜなら、上昇局面や下降曲面の手堅い部分だけを売買していると
玉の溜め込みが出来ずに、少額で短期の売り買いに留まってしまうからです。

株価が、横バイ局面の間に少しずつ玉を仕込み溜め込む
その後、下降局面か上昇局面になった時に
それまでの横バイ局面で溜め込んだ玉を反対売買し
大きな利益に変える。

その売買の対応例を今回の講義でお伝えしたいと思います。

では、下図の「日立建機」の日足チャートをご覧ください。

売り買いを考える前に、いつものように
現在の「日立建機」の状況を分析しておきましょう。

いろいろ気が付くことはあると思いますが
主に、以下の点に気が付けばいいですね。

・上昇局面、横バイ局面を経て、現在は下降局面の途中です。
・下降局面になる前にキレイな「トライ届かず」の形になっている
・上記の「トライ届かず」に加え、「逆クチバシ」も現れている
・下降局面も3ヶ月目に入っている。
・下降途中に、ローソク足が一度、緑の20日線に触れている。

上昇局面も横バイ局面も、
2ヶ月目を過ぎて、3ヶ月目で局面が移行しています。

今回の下降局面も、3ヶ月目に入っており
ローソク足が、一度、緑の20日線に触れたこともあるなど
横バイ局面になる兆候が垣間見れます。

ですから、底打ちのサインが出る毎に
少しずつ買いを仕込んでいく作戦をとります。

実際の株価は以下のように
横バイ局面を経て、最終的に大きく上昇していきました。

売り買いの「建玉の操作」の例を見ていきましょう。

①0−2
ここからスタートします。
5日線の上に陽線になったので買いを入れます。

②2−2
緑の20日線に押さえられています。
大きく下がった株価は、一気には上昇することは稀です。

「大きく下がった後は、小さな上げと小さな下げ」
を繰り返す横バイ局面になる可能性が高いので
ここで、売りヘッジを2入れます。

短期売買なら、ここで売りを手仕舞って0−0でもいいのですが
今回は、横バイ局面で買いを仕込んで
最終的に来るであろう上昇局面で大きな利益を取ろうと目論んでいるので
買いはそのままで、売りを入れることにします。

③2−4
前の安値近辺で株価が踏みとどまっています。
買いを2追加します。
ただ下がる可能性もあり、買いだけであれば不安なので
売りの2は残しておきます。

※③の一つ前の小さな窓開け陰線で
 下がるかもしれない売りを1追加。
  前の安値で下げ止まるかもしれないと考える買いを1だけ追加する
という選択肢もあります。

④0−6
安値で踏みとどまって、5日線を陽線で越えて来ました。
売りを切って0にし、買いを2追加します。

⑤2−6
再度、緑の20日線に押さえられているローソク足。
しかし、今のところ5日線の上であり、1300円の節目で下げ止まっているので
売りヘッジは、少なめで、3分の1ヘッジである2だけ入れます。
もちろん、買いの6は、そのままにしておきます。

⑥0−8
とうとう、赤の5日線だけでなく、緑の20日線も越えて来ました。
緑の20日線を赤の5日線が上に抜いても来ました。
上昇局面に移行した可能性が大になりました。

仮に、この後下がったとしても
前の安値まで下がらずに上昇していく・・・
以上の事が確認出来れば、上昇局面が確定です。

⑦0−8
日中に大きく下がりましたが
最後には、大きく戻して来ました。

1300円を下回らなかった事、20日線で反発したことは
株価が強い証拠。そのまま買いを残します。
日中に株価を気にしていたら
この大幅安に気持ちが動転し売ってしまっていたかもしれません。

ザラ場は見ない。

⑧2−8
初めての60日線タッチで株価が上がることに苦労しています。
売りヘッジを2入れます。

⑨4−8
結局、青色の60日線で押さえられ
5日線も割って来ました。
売りヘッジの追加を考えます。

今まで、触れる事の出来なかった60日線まで
ローソク足が到達したことを鑑みて
前の安値(③の部分)までで下げ止まる可能性が高いと見て
売りヘッジは、2だけ追加して合計4で行きます。
これで4−8となり
買い8に対して、売り4と半分ヘッジしたことになります。

⑩0ー12
またもや、1300円の節目で下げ止まっています。
三日連続の陽線横並びで、一気に買い転換します。

この、5日線そして20日線の下にローソク足があるけれども
ここは下げ止まったと感じる事ができるかどうか???
これは、常に残念ながら、そして月並みですが、
練習・練習・練習しかないのです。

同じような局面を、
数多くある株式銘柄の過去30年間の値動きの中から探して見てください。
その部分だけ取り出して自分で分析し売買の練習をして見てください。

そうすれば、自信を持って売り買いができるようになります。

練習95、本番5の精神で
特に自分が過去に失敗したところ苦手な部分の
株式売買の練習に取り組んでください。

⑪0−14
青色の60日線を2回目のタッチで越えて来ました。
少しだけ買いを追加します。

⑫0−0
1400円の節目を越えられずに5日線割れ。
一旦、全て手仕舞って利益確定します。

⑬0−14
先ほど、不安に一旦手仕舞いましたが
すぐ様、高値を更新し1400円および5日線の上に出て来ました。
先ほど、手仕舞った株を全て買い直します。

⑭0−0
1500円の節目で横並び、5日線も割って来たました。
ここで、全て売り手仕舞いします。

今回は、

株価が、横バイ局面の間に少しずつ玉を仕込み
その後、下降局面か上昇局面になった時に
それまでの横バイ局面で溜め込んだ玉を反対売買し
大きな利益に変える。

という売買の対応例をお伝えさせて頂きました。

次回は、もっと長い期間の「うねり取り」売買ついての講義をしたいと思います。

お楽しみに。

T.Aimoto

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