相場師朗の株塾で人生が変わった相本です。

僕は30年近く、株式相場を見てきています。
アベノミクス以降は金融緩和により
なんだかんだで株価が上昇していますが
もし日銀の買いがなかったら・・・と想像すると
ゾッとします。

忌まわしい、大暴落。

コロナ初期に起こった暴落なんて
可愛いものです!?

ここ数年間に株式市場に参入してきた人は
本当のバブル崩壊の怖さを知らない・・・

そんな方々の為にお話しします。
頭の片隅に置いておいてください。

日本でバブルと言えば、
1980年代後半に起こったバブルが有名です。

1980年代半ばから始まった日銀の低金利政策が、
銀行の「カネ余り」を誘発していた時代です。

ちょうどその頃、電電公社が民営化されてNTTになり、
日本人なら誰でも知っている超優良企業“NTT株”が
儲かることは確実!?そんな雰囲気で発売されました。

カネ余りの時期にわかりやすい株があれば、
バブル相場に一気に火がつきます。

株を初めてやってみるという素人投資家が、
こぞって銀行から金を借りて株や土地を買いまくり、
バブルに突入したのです。

NTT株の売り出し株は、
わずか2カ月で「119万円→317万円」まで上がり

それと同時に、
日経平均株価は1989年末には3万8915円(過去最高)を記録、
当時は日本の不動産会社の代表でもある三菱地所が
ニューヨークのロックフェラーセンターを買収するなど
”Japan as No.1”などど言われていた時代でした。

その後、金利の上げすぎや
不動産取引への厳しい規制ができたことで
バブルははじけ、平成の長い暗黒時代へと・・・

以下は、当時のNTTの株価チャートです。

分割で株価が修正されていますが
1987年3月の4000円から
7500円まで、たったの三ヶ月。

そこから下落し、底値を付けたのが
1992年9月に約1100円と約5年かかっています。

もちろん上がったと言っても
下がった割合から見たら少しだけ・・・。

国民中がいいと思って買ったNTT株が下がったのです。
NTTを持ってる人は、みんなが売りたいと思っていたのです。

上がらなくて当然ですね。

過去にバブルの主役となった株を買うのは
十分な整理が付いてからにしましょう。

次は、2000年のITバブルの考察をします。

僕もいろんなバブル相場を経験しましたが
「ITバブル」が一番、酷かったように思います。

1990年後半から2000年
「ITバブル」

今となっては当たり前のように
日常生活に入り込んでいるインターネット。

入り込んでいるというよりは
生活する上で、無くてなならないモノですね。

そんなIT(インターネット・テクノロジー)。

2000年になる前の1999年頃
インターネットやパソコンが少しずつ普及していました。

当時から、マイクロソフトやアマゾンは有名でした。

『インターネット』というモノが、
当時の投資家たちには、
今一つ理解しにくいモノだったのですが
わからないことだらけの中、
”強烈な幻想”を想い描いたのです。

それらのサービスを利用したネットショッピングや
情報通信などの”期待感”が、過剰に膨らみ
株式市場を熱狂の渦へと巻き込まれていきました。

そこには株式投資家だけでなく、
株式に全く関係のない人までも熱狂。

情報専門用語がびっしり並んだ企業の事業計画書、
読んでも全く理解できませんでした。

会社名に「.com(ドット、コム)」と
名前が付いていればOKで即、株を購入。

そんな感じで投資していました。

そうして、我先にとIT関連銘柄の株式に
投機資金が流れていったのです。

ITバブルは、
別名ドッド・コム・バブルとも呼ばれていました。

熱狂するマネーゲームによる投機資金は、
インターネット関連の新興企業が集まるナスダック市場に大量に流れ込み、
ナスダック総合指数を押し上げ続けました。

1996年頃までは、
約1000ポイントほどで推移していたナスダック、
ITバブルにより、以下のように上昇しました。

  • 1998年 7月:2000ポイント突破
  • 1999年11月:3000ポイント突破
  • 1999年12月:4000ポイント突破
  • 2000年 3月:5000ポイント突破

ナスダック総合指数は
1996年頃から2000年にかけて
約5倍になったのです。

当時のナスダック総合指数チャート

このような状況の中、
無謀なベンチャー企業の設立が増え、
アメリカのシリコンバレーだけでなく、
日本にも新興企業が次々に現れていきました。

利益をまだ出していない、
出せるかもわからない企業でも、
「インターネット業務を開始」となれば、
莫大な資金が流れ込みました。

しかし、当然の事ながら
インターネットを駆使する企業すべてが成功する
そんなわけには行かず9割以上の企業は
消えてなくなりました。

”実体のない”株価上昇は、
崩壊に向かいました。

ナスダック総合指数は
2000年3月10日の5048.62ポイントをピークに、
2002年10月9日に底値である1114.14ポイントまで下落。

実に77.9%もの下げを記録したのでした。

これは、リーマンショック時の下落率よりも
大きい暴落となったのです。

株価急落により、
実績を生み出せず資金調達に走ったベンチャー企業は
次々に破産。

ITバブルは崩壊しました。

しかし一部のIT企業に関しては、
21世紀を牽引する企業へと成長するという期待は、
確かに事実となりました。

Apple、Google、Amazon、ソフトバンク、楽天などが、
これほどまでの大企業になれたのは、
当時の投資家たちの期待があってのことで、
一部の投資家は、この予想を的中させたのでした。

また、アメリカと同様に
日本でも、1990年代半ばから、IT企業が数多く誕生しました。

今となっては誰でも知っている有名な会社ですが
楽天、ソフトバンク、ヤフージャパン、などはその代表です。

実際に日本の通信・情報産業が急速に拡大していったのは事実ですが、
社名にe(エレクトロニック)やi(インフォメーション)とか
.com(ドットコム)を付けただけで株価が上昇するなど、
アメリカと同じような、実体のないITバブルが起こっていました。

当時の株価の上昇はすざましかったのです。

”ヤフ”ーは公募価格70万円が、1億円以上になり

マザース第1号として上昇した”インターネット総研”は
1株1170万円の公募価格が初値はなんと”5300万円”

https://minkabu.jp/stock/4741/ipo

マザース第2号のリキッドオーディオは
1株300万円の公募価格が初値610万円。

この2つの会社は今は無い・・・

でも、やっぱりITバブルの象徴と言えば

”ソフトバンク”

1999年1月は4000円くらいだったものが
2000円2月に198000円まで急上昇。

実際に、ソフトバンクのおかげで
世の中は便利になったことは事実ですが
当時の投資家たちは、異常とも言える幻想を
ソフトバンク株をはじめ多くのIT企業に抱いたのでした。

下記は、ソフトバンクGの月足チャートです。
(分割修正後)

上昇も凄いですが、その後の下げも強烈でした。
しかも20 年経った今も高値の半分も届いてないのです。

1980年代後半の不動産バブルのNTTや不動産株
2000年のITバブルの代表格であるソフトバンク等々
一度、国を上げて盛り上がった株は
売りたいと思っている投資家の株の整理が着くまでに
相当の時間がかかるということですね。

次回、いつ来るか分かりませんが
バブル崩壊って、本当に怖いです・・・

思い出しただでも
恐ろしいバブル崩壊だったのですが
これも、今後のトレードに活かさなければ
意味がありません。

このバブルの経験から学べることは

株を始めたばかりの人の多くが
簡単に儲かるようになったら要注意。

過去にバブルを形成した銘柄は
基本的に買いの手は出さない。

ということです。

バブルという表現が
かなり曖昧ですが
大きな出来高を伴って
大きな値上がりをして
最終的に大暴落になったものです。

大きな出来高を伴って
大きな値上がりをしたということは
天井付近で株を買った投資家が
たくさんいるということです。

その後、暴落した株を売ることも出来ずに
損をして売れないから、
と言って保有し続ける投資家が
諦めて株を投げ売りするまでには
相当の時間がかかるとということです。

少しでも株が上がったら売りたい、
と思っている人が沢山いるので
いつまで経っても上がらない・・・
結果的に徐々に値下がりしてしまうのです。

これらの株が売られ尽くすまでには
それ相応の時間がかかるので
なかなか上がらないんですね。

長々とお話してきたバブルシリーズを
まとめます。

買った株が簡単に儲かり出したら注意する。
一旦、バブルを形成した銘柄には手を出さない。
これを頭に入れておきましょう。

あなたが買おうとしている株は
今、誰が買っても上がっている

あるいは、
過去に大商い、大幅上昇はしてませんか?

ああー恐ろしい大暴落。
今までの利益が瞬間蒸発します。

株式投資をする上で
あまり悲観的になるのはよくないですが
楽観的すぎるのもよくありません。

バブルが起これば、いつか崩壊する・・・
頭の片隅に、ちょこっと置いておいてください。

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