相場師朗の株塾で人生が変わった相本です。
暴落パターンの考察も第4回目。
今回は、
「暴落前のチャートの特徴」と「その建玉の操作」
を学んでいきましょう。
下記のチャート、2011年11月から2012年5月
「本田技研工業」の日足チャートをご覧ください。
あなたなら、このチャートの右の部分の大暴落をどう対応するか?
少し時間をとって考えてみて下さい。
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先ず、気が付いていただきたいのが、
この「本田技研工業」も株価は、
上昇期間が長く6ヶ月間もの間、上げてきたという事です。
暴落するためには、株価が高く上がっていないといけません。
したがって、上昇期間が6ヶ月も続いた場合は要注意になります。
通常は上昇期間が3ヶ月続けば注意しないといけないのですが
その倍の期間である
6ヶ月も上昇が続いた場合は
「株価がいつ暴落してもおかしくない」と
暴落に対する警戒をしておかなければなりません。
次に、ローソク足が
緑色の20日移動平均線に触れる回数が増えてきたという事。
今まで中々、触れる事のなかった20日線に触れるという事は
上昇する力が、鈍くなってきているという事ですね。
上げて来て、初めて20日線に触れて陽線であれば
その後、上昇する事が非常に多いです。
しかし、2度目、3度目と
「20日移動平均線」に触れる回数が増えてくると、
株価が「20日移動平均線」を割る可能性が大きくなります。
さらに、天井付近では
「トライ届かず」 のチャートパターンが形成されており
今までのように高値を更新する事が出来なくなって来ています。
以上3つ
1・上昇6ヶ月目である
2・20日線に触れる回数が増えて来た
3・トライ届かずの形になっている
この条件が重なって暴落となっています。
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他の銘柄でも確認しておきましょう。
下記チャートは、三菱重工業の日足チャートです。
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上記のチャートを見ると、先ほどの「本田技研工業のチャート」と同じように
暴落するための要素が揃っていることがわかります。
・上昇6か月目であること
・20日線に触れる回数が数回目で陰線で割っていること
・トライ届かずになっていること
以上の3つが暴落前に現れています。
わかりやすいように、
ポイントを以下のチャートに記しておきました。
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実際に、どういった売買をする事になるのかを見ていきましょう。
今回は、簡単にできるパターンと
複雑になりますが、大きな儲けを取ることができるパターンと
同じチャートを使って、2種類の建玉を見ていきたいと思います。
先ずは、簡単にできるパターンから。
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以下に示す数字の左側が「空売り」
右側の数字が「買い」 になります。
①2-0
上昇6か月目の株価が陰線で20日線を下回ったので売り、
しかも4000円の節目を越えることが出来なかったという
節目にも要注目です。
②0-0
青色の60日線に初めて陽線でタッチしたので
一旦は株価が上昇に転じるとみて売りを手仕舞いします。
③2-0
再度、トライ届かず。
長い陰線で、5日線も20日線も60日線も同時に下回ってきました。
紫の100日線にタッチしていますが
悪条件の方が圧倒的に多いので再度売ります。
④4-0
紫色の100日線、オレンジ色の300日線も同時に割ってきたので追加の売りを入れます。
⑤0-0
大きく下がってきた株価が横ばい。
陽線で5日線の上に出てきたので、ここで手仕舞いします。
以上が、簡単な売り買いの例になります。
まずは、これを出来るようになってください。
次に、複雑にはなりますが、より大きな利益を出すべく
細かい建玉の操作を交えた売買例です。
それぞれの番号が付いているローソク足で
あなたなら、どういう建玉を操作しますか?
ぜひ、ご自身の頭で
「自分ならこういう売り買いをする」
と考えながら読み進めてみてください。
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①0-2
20日線にタッチしたが陽線で跳ね返った。
一旦は上昇するとみて買いから入ります。
また、この地点で、
すでに上昇5カ月目なので下げを取ることも考えておきます。
②0-4
5日移動平均線を陽線で越えてきたので
買いを2足します。
ただし、4000円の節目も近いので要警戒しながら
その後の動きを見守ります。
③2-5
更に高値を更新してきたので、買いを1追加します。
それと同時に、4000円の節目に届いたので警戒し
先ほどの買い1と同時に売りを2入れます。
この売りは将来に下がることを見越しての空売りになります。
④3-4
陽線ながらも、5日移動平均線をを下回って来ました。
4000円の節目での株価の攻防が気になります。
買いを1切って、その分、売りを1足します。
⑤4-4
横バイ圏の中ですが、ローソク足が5日線の下にあることが多くなり
少し長い陰線が出たので売りを追加し4-4で様子をみます。
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⑥6-2
節目の4000円を下回り、
5日線が下を向き、20日線に陰線でタッチしました。
昨日よりも、今後下げる可能性が、ぐっと大きくなりました。
売りを2追加し、買いを2切ります。
ただ、ヘッジの買いになる2だけは残しておきます。
下がることが確実だと思ったときに、全部外します。
ここまで、少しずつ売りを増やしてきました。
プロは一気に建玉を変えるのではなく、
株価の動きを日々見ながら少しずつ建玉を変えていくのですね。
このオレンジの丸で囲った横バイの部分は
上がったとしても、翌日にはすぐに下げてくる・・・
今まで上昇してきた株価の上昇力が弱まっていると考えて間違いありません。
⑦8-0
陰線で20日線を下回ってきました。
横バイ圏だった株価が下に突き抜けてきました。
下げることが、ほぼ決定的になったので
買いを全部切って、売りを追加します。
ここで、下げの目途、その後の動きのシナリオを描いておきます。
20日線を割ってきたので
次、下げ止まるのは、青色の60日線まで来たら一度反発するかな?
しかし、6か月間も上昇した後なので、もっと下げは大きくなるはず。
ということは、60日線(青)に当たって、反発しても20日線(緑)止まりで
また下がり出すのではないか・・・
というシナリオがここで描ければ合格です。
プロは常に先を読んで、それに応じた建玉を事前に仕掛けているのですね。
上昇の最終局面だと思われるところから
残り少しの上昇曲面を買いで入り。
それと同時に、次の暴落に備えて、売りを仕掛けていく。
上昇の力が無くなっていくのを日々確認しながら
少しずつ、買いを抜いて、売りを増やしていくのです。
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⑧8-4
初めての60日線タッチで、しかも陽線。
反発する可能性が高い。
しかし、6か月間もの上昇した後なので
たった1カ月程度の期間
および、この程度の下げ幅では終わりそうもない。
少し上がって戻れば、また下げてくると考え
ヘッジの買いを4にします。
⑨10-2
一旦は上げたけど、すぐさま、再度下げて来ました・・・弱い。
ローソク足がコマになっており、上に行くか下に行くか気迷っている状態ですが
60日線の下に出たので買いを2切って、売りを2追加します。
⑩10-4
2日連続5日線の上に出た。
前の高値に並んでいるので様子をみたい気持ちもありながら
上昇する可能性も出てきたので、ヘッジの買いを2だけ入れます。
⑪12-3
直近数日間のローソク足を見ていると
20日線を越えることはできず陰線続きになっています。
やはり20日線を越えるのは難しそうです。
20日線に当たって陰線で下げたら弱い。
また、完全な「トライ届かず」のパターンですね。
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⑫15-0
長い陰線で、5日線も20日線も60日線も同時に下回ってきました。
買いを完全に切って売りを追加します。
⑬18-0
300日線も下回ってきたので、売りを追加。
前の安値が近づいているので
これ以上は売らないでおきます。
⑭0-0
ローソク足が横ばいになり
5日線の上に出てきました。
前の安値に並んでいることもあり、
ここで、全て手仕舞いします。
暴落する前のチャートの形は頭に入ってきたでしょうか?
・上昇6ヶ月目である
・20日線に触れる回数が増えて来た
・トライ届かずの形になっている
そのほか、「節目」も気にしておいてください。
あなたが、トレードをするなら
まずは、大まかな動きを予想して
事前にシナリオ(トレードプラン)を立てる習慣を身につけてください。
株価の動きを読んだ上で、
建玉の操作をする事で大きな利益が生まれます。
そういった練習を日々積み重ねていってくださいね。
その練習の参考になるような売買例を
このブログの中で随時更新していきます。
一緒に一投資家として成長していきましょう。
事前のシナリオ(トレードプラン)の立て方。
①暴落しているチャートを見つける。
②チャートが見えてる状態、株価の動きの全体を見ながら
「この暴落で儲けるとしたらどういう理屈を付けて売買するか?」
自分なりのプランを考える。
株価の結果が見えた状態で、
「自分だったら、こういう根拠があってこういう建玉をする。」
そういった訓練を日々続けてください。
株は技術です。
練習すれば、うまくなります。
練習の回数が、あなたに富を持たらします。
一緒に頑張りましょう。
T-Aimoto
<補足>
これらの記事をただ漠然と読み流すだけでは
本番で使えるようにはなりません。
読んだ記事を本番で使えるようになるは
「繰り返し読む」ことが大事です。
いいなと思った記事、
これは大事だぞと思った記事
是非身につけたいと思った記事
があれば、
内容がスラスラと言えるようになるまで
繰り返し読みましょう。
1記事につき最低7回。
そこから、2つ目、3つ目の記事・・・と
どんどん出来ることを増やしていきましょう。
基本の徹底反復が
後の大きな飛躍へと繋がります。
頑張ってください。
