株を買う人のほとんどは、 買った株が値上がりすることにより儲けようとします。 しかし、下図のように、株価は常に上下動を繰り返しています。
![]()
買いのみの株式投資だけでは相場が下げる局面では 値上がり益どころか保有している株の値段が下がってしまい、 損が出てしまいます。
単純に買った株を持ち続けるしかできないトレーダーは 下げ相場では二つの選択肢しかありません。
・持ち続けて評価損を膨らませるか ・反対売買をして損を確定させるか
結局のところ、株式を買う選択肢のみでは下げ相場が続いた場合 損は避けられない ということになります。
買いのみでは下げ相場はとれない。
ではどうすれば下げ相場でも儲けることが出来るようになるのでしょうか?
下がった時に利益を出す「空売り」
株式投資で利益を出すためには、 安く買って高く売るという順番を必ずしも守らなければ ならない訳ではありません。
そこで「空売り」という手法を使うことで 高く売って安く買うという順番が可能となります。
「空売り」とは、空(持っていない)状態で株を売るということです。
「空売り」ができれば、相場の天井付近で空売りをして 下がってきたところで買い戻すという戦略を取ることができ、 株価が下落する局面であっても利益を得ることが可能となります。
例えば、現在1000円の株式があったとして、 その銘柄が今後値段を下げるだろうと判断した場合、 その株式を「空売り」します。
こちらの想定通り、その株式が値段を下げて950円になったら、 その株式を買い戻して反対売買するのです。
そうすれば始めの売却金額1000円から 後で買い戻した950円を差し引いた50円が利益になります。
![]()
株価が下がっている局面でも利益をあげる これが、「空売り」を活用する最大のメリットになります。
空売りのもう一つメリット、ヘッジ
空売りのメリットというのは、相場が下がっている局面でも投資できる ということを説明させていただきましたが 「空売り」には、もう一つメリットがあります。
リスクヘッジとして活用できるという点です。
ヘッジというのは、 まだ上がると思っていた株が一時的に下がってきた時に 少し心配なので、一部空売りをいれておくという投資手法になります。
あるいは、その逆で
まだ下がると思っている株一時的に上がっきた。 そのまま上がってしまうのも怖いので、 一部反対の玉になる買をいれておくというという場合もあります。
どちらにせよ、自分が想定した株価の思惑とは 逆に動いた際に反対玉を持つという 保険的な売買のことをいいます。
具体的に見ていきましょう。
![]()
株価が大きく下がってきたので 試しに1000株買ってみた。・・・①
そろそろ株価が、 下げ止まりつつあるので 2000株追加で買ってみた。・・・②
少しだけ上がったけど、 また安値を割ってきた。
再度、下げ止まったので 追加の買いを3000株入れた。・・・③
この地点で合計6000株の買い。
その株価が大きく上がってきた。・・・④
しかし、それまで調子よく上がってきた株価が 陰線が2本出て利益が減り始めた。
自分としては、まだ上がると思っているけど 株価のことだから何があるかわからない。 このまま下がり続けて利益がどんどん減っていくのが心配だ・・・
そんな時にヘッジの売りである 空売りを2000株だけ入れておく。・・・⑤
これをヘッジと言います。
実際に買いしか持っていない状態で少し売りを持ってみる。 こうすると、かなり気分が楽になります。
その後、株価は自分が思ったとおり下げ止まり 前の高値を超えてくる。
ここから株価は、さらに上がりそうだと判断し 保険として入れた空売り2000株を反対売買します。・・・⑥
あとは、元からあった買っている6000株で利益を取っていく。
当然のことながら このヘッジで入れた空売りは 安いところで売って、高いところで買い戻しているので 若干の損が出ることになります。
上がると思っていたのに、わざわざ空売りを入れて 損して買い戻すくらいなら 最初からヘッジの空売りなんかしないほうがいいのではないか??? という声が聞こえてきそうですが・・・
それは素人の考えです。
実際に売買をしてると 自分の思惑と反対方向に株価が動くとかなり不安になります。
株価には絶対というのはありません。 下がったまま、上がって来ない可能性もあったわけです。
そのためのヘッジの空売りです。 ヘッジの空売りの損は、保険料・必要経費と考えて下さい。
「ヘッジとしての空売り」
これは、うねり取りで株式を売買していく中で 欠かせない売買手法になります。
まとめ
一般に「空売り」をやっている株式投資家は 全体の約15%と言われています。
買いからしか株式の売買ができないトレーダーと 空売りを駆使して売買できるトレーダーとは 投資して儲ける機会も、また危なくなったリスクヘッジの点からも、大きな差となります。
空売りをするメリット
・相場の下落局面でも投資できる ・相場のリスクヘッジに利用できる
「空売り」をうまく活用できるトレーダーを目指しましょう。
相場先生の書いた「空売り」に特化した本もあります。 世界一安全な株の空売り T-Aimoto

相本様
相場師郎氏の手法を実践されていること関心をもちました。
私は相場を勉強しようと思うのですが、最初に読んだ本が
大変感銘深く、「立花義正」氏の本でご質問なのですが
相場氏の考え方が、三猿金泉録のような平均値をとる立花義正氏の手法と大よそ同じと考えて良いのでしょうか。
また私のように全くといって用語など分からない素人がまず
基本の基本として読む本のお勧めがあればお教えねがいます。